手紙 (文春文庫)


【評価】 平均評価: 4.0/ 総数: 178件
[5点] 表紙のピンク、最後の数ページが悲しくも切ない
両親亡き後、弟を大学へ行かせるためにひらすら働く兄だが体を壊し、職を失う。
それでも学費を工面するために思いついたのは・・・

以前引越しの仕事で行った資産家の老婆宅。
用意周到に侵入し、大金を手にするも、老婆に見つかり五体の激痛に逃げられず助けを請う老婆を殺めてしまう・・・

読み勧めていくうちに分かる、見えない差別の壁、人間の残酷さ、当たり前の幸せがこんなにも手に入れにくいものだったのかと。
人生が180度変わってしまった弟・直樹は健気にも生きていくが、桜の検閲印が押された兄からの手紙により弟の人生をも翻弄されてゆく。
表紙のピンク色が切なくて哀しい・・・ヒューマンストーリー。

(2008-05-31)
[3点] 差別は絶対になくならない
本の帯に抜粋して書いてある内容

「差別はね、当然なんだよ。犯罪者やそれに近い人間を排除するというのは、
しごくまっとうな行為なんだ。
我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。
自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる―
すべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね。」

冷たい言葉に聞こえるけれど、すごく現実的に聞こえました。
この本をまだ読まれていない方の為に結末は書きませんが、
正直感動はできなかったです。

自分でも無意識のうちに「差別」をしているんだろうな。と考えさせられます。
「差別」の反対語ってなんなんでしょう?「無差別」ではないですよね。
ひょっとして「差別」はなくならない。というより、あって当然なのかもと思います。
問題は「差別」から発生する2次的なもの、「無理解」だったり「偏見」なのか?
「差別」を認めたうえでの歩みよりや「知ろう」とすることや
「理解しよう」というベクトルが重要なのかも。と考えさせられました。
(2008-05-27)
[4点] 人間を見せられた
差別はいかんよ!!と思ってる人も差別するんやろな。おれもたぶんするし。 (2008-05-18)
[5点] 人の愛を描いた作品
ストーリーとしては、兄弟の絆がテーマなのでしょうが、脇役として主人公を支える由美子が素晴らしいと思います。いつも彼を見守って、彼のために尽くします。見返りを求めない、いつもそばにいて励ます、無償の愛で彼を包む、由美子がいなかったらどうなっていただろう。働く場所も見つけられず、落ちぶれていたかもしれない。人と人とのつながりの尊さ、人を信じることの大切さを感じました。最後はもちろん、ただただ手を合わせて謝り続ける兄の姿に号泣しました。東野さんの作品はすべて読んでいますが、個人的には一番好きな作品です。 (2008-05-10)
[4点] 人生における選択
人間的な正義というと少しおかしいかもしれないが,
道徳的正義や自身が思い描く理想の選択を行うのは,
ある意味,非常に容易な道であり自己満足は得られる。

それとは逆に自信が楽になるためとはいえ,
シビアな選択をするのは非常に辛いものである。

人生の様々な場面において,
「自身にとって最上の選択とは何なのか」
考えさせられる物語でした。 (2008-05-02)
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